縁に笑顔をいただいて  89才 女性

かつて読んだ詩の中に”痛みは笑顔どろぼう”という一節がありました。その痛みの中で、腰・肩・足・首に及ぶ

つらい神経痛の痛みはどんな言葉で表現すればいいのでしょうか。どろぼうに奪われた皺だらけのしかめっ面の老婆・・・

私は、痛みによって笑顔を奪われていました。こんな時、人は誰しも病院の整形外科の先生の検査・診断を受けるでしょう。

私もそうでした。長時間待って注射と痛み止めの錠剤を処方していただきました。しかし、それは一時的で、再び、痛みに

苦しむ忍耐の日々がやってきたのです。

そんな時でした。友人の紹介で「縁」にめぐり逢いました。まさに縁でした。

”終わって湯上り状態ーポカポカ背筋シャキン、真直な歩行ースイスイ、それは驚きの瞬間・・・”(当日の日記から)

そして、後日談ですが、先生は「どうしようか?」と思ったそうです。私の体はあまりにもひどい曲がり具合いだったからです。

さて、この1年間、隔週に1回の施術をお願いしていますが、痛む所と快方に向かっているところを、はっきりと先生に伝えるように

心掛けてきました。次に、私には決して触られたくない所がありました。それは、左大腿骨頸部骨折手術で、3本の金属で固定され

(何しろ24年前の手術ですから)最近は、痛みが出てきたため、なるべく負担をかけないようにと心がけていました。

その凝り固まった筋肉を、少しずつ、少しずつモミほぐして下さり、私が「だいじょうぶですか?」と不安を漏らすと「大丈夫!」と。

そんな繰り返しが何度もあって、そのうち左足は、まるで怪我がなかったように、身体の一部になっていました。長年の望みが叶えられ

感謝しかありません。この部位を施術して下さったのは先生だけでした。

つい最近、ある新聞に「笑顔って、すてきだね!」という見出しで、記事が載っていました。講師に習って笑顔の練習をする参加者の写真

が添えられていました。コロナ感染症が五類に移行した今こそ、笑顔がどんなに大切か思い知らされました。現に私もコロナの影響で友人

を亡くしたり、大切な人にも会えず笑いをなくしていました。最近、あれだけ苦しんだ起床時の激痛がウソのように去り、よく眠れて、

清々しい朝を迎えています。そして、先日娘が言ったんです。「姿勢よくなったね!」と。それは、それは嬉しい言葉でした。誰からも

何年も言われたことがなかったのですから。次回からは治療の難しいムチ打ち症の施術をお願いしたいと思っています。そして、いつかは

きっと大声を出して笑える日が来ると信じています。人を信じて、任せて、私をここまで生かして下さった人々に感謝しながら・・・。